スパイラル耐摩耗エルボが一般的な問題を解決
このスパイラル耐磨エルボを使用すると、詰まりの懸念はありますか?
回答
通常、スパイラル耐磨エルボを正しく使用すれば、詰まりが発生することはありません。
ただし、いくつかの特定の状況では閉塞が発生する可能性があります。
1. 大型異物の混入
異物が配管内に混入し、比重や粒度が不均一な場合、輸送過程で分離が発生することがあります。特に、比重が大きく粒度の大きい輸送物は沈降しやすく、プラグのように詰まりを引き起こす可能性があります。このような異物がスパイラル耐磨エルボの内部空間に滞留すると、連続輸送が困難になり、圧力室の加圧機能が失われ、最終的に詰まりが発生しやすくなります。その結果、エルボの使用寿命にも影響を及ぼします。
2. 湿度の影響
気候の湿度が高い場合や、外部から水分が侵入した場合、または輸送管の露点が異常になる場合なども、詰まりの原因になります。湿気が輸送物と結合すると、塊状のプラグが形成されやすくなります。スパイラル耐磨エルボを使用している場合、加圧室内部に湿気を含んだ輸送物が付着すると、輸送の効率が低下する恐れがあります。
3. 高温環境での使用
高温環境では、露点が変化するだけでなく、風速、風量、風圧にも影響を与えます。特に、風量の変動が重要なポイントとなります。通常、風量は基準状態(NTP)でQn(M3/min)として表されますが、気温によって風量が変動します。
換算式:
Q = Qn × (273.15 + t1) / 273.15 (M3/min)
例:
入口温度が300°C、基準風量Qn = 28M3/min、風速V = 25M/Sの場合:
Q = 28 × ((273.15 + 300) / 273.15) = 58.75M3/min
この式から分かるように、風量が2倍以上に増加します。配管径が一定のまま風量が増加すると、風速も急上昇し、V = 52.4M/Sとなります。この影響で圧力損失も変化し、例えば標準的な直管のNTP状態での圧損が△P1 = 6.1996mmaq/Mだった場合、温度上昇後は△P1n = 27.2363mmaq/Mに増加します。
このように風速が急激に増加すると、配管内壁への衝撃が強まり、スパイラル耐磨エルボの内部空間に輸送物が付着しやすくなり、結果として詰まりの原因となります。
4. 一次供給空気の不安定さ
供給側の空気流が不安定な場合、供給の間欠性が生じ、流速が減少して沈降現象が発生しやすくなります。長期間この状態が続くと、前述の問題と相まって配管が閉塞しやすくなります。
改善策と予防策
上記の問題要因を考慮すれば、適切な予防策と改善策を講じることが可能です。特に、異物混入や輸送物の付着性には注意が必要です。
スパイラル耐磨エルボを使用する場合、緊急停止時に腔室が詰まった場合(輸送物が充満した状態)には、プリパージ(負圧が最適) を試みることで、内部の堆積物を除去することができます。
スパイラルチャンバーの入口圧力は正圧であり、入口からチャンバーに進むにつれて面積が拡大します。しかし、管径は一定であるため、風量が増加すると風速も上昇し、圧力損失が増加します。一方で、スパイラルチャンバー内では風速が低下し、圧力損失も減少します(前述の圧損計算式を参照)。
ベルヌーイの法則 によると、一定の流量を維持したまま通過面積が増加すると、風速は減少し、圧力は上昇します。
Q = AV
この法則を利用し、スパイラルチャンバーでは自然な加圧室が形成され、入口圧よりやや高い正圧が生じます。一方、出口側は負圧領域となります。この圧力の違いを利用し、プリパージを行うことで、堆積した輸送物を徐々に押し出し、自然な清掃効果を得ることができます。
結論
スパイラル耐磨エルボの詰まりは、特定の条件下で発生する可能性がありますが、適切な管理と対策を講じることで防ぐことが可能です。プリパージを活用し、圧力損失の計算を考慮した運用を行うことで、詰まりのリスクを軽減し、エルボの寿命を延ばすことができます。